雇用量の調整弁として大いに活用された「期間雇用労働者」。
しかし、会社の経営が思わしくなくなってきたときは、その契約を打ち切らざるを得ない状況が出てきます。
ここでは、労働契約期間の基礎知識から、契約を打ち切る場合に注意しなければならないことを確認します。
手続きを一つ間違えば、派遣会社あるいは労働者から訴えられることも考えられますので、注意が必要です。

労働契約の期間について

一般的にサラリーマンと呼ばれる人などは、労働契約の期間の定めをしないで働いています。
一方、期間の定めをする場合は次のような法規制があります。そして、労働契約の期間の定めがある場合は、「やむを得ない事由がある場合」でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないとされています。

  契約期間 内容 更新
原則 3年を超えてはならない 3年を超える期間を定めた場合は、3年の期間として取り扱われる。
ただし、労働者は、労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる((1)(3)(4)の場合を除く)。
更新を繰返すと期間の定めのない労働契約扱い
例外 3年を超えてよい場合 (1) 一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの(有期事業)
(2) 労基法70条の職業訓練を受ける必要がある場合(職業訓練を修了するまでの期間内)
更新は不可
5年まで契約できる場合 (3) 専門的な知識、技術又は経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約
(4) 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約
更新の場合
5年以下

期間の定めがある労働契約について注意すること

(1)更新について
使用者は、有期労働契約の締結に際し、更新の有無や更新の判断基準を明示しなければなりません。

(2)雇止めの通知
有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも30日前までに予告をしなければなりません。

(3)雇止めの理由の証明書
雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求したときには、遅滞なく証明書を交付しなければなりません。

(4)契約期間についての努力義務
有期労働契約が1回以上更新され、かつ、1年を超えて継続勤務している有期契約労働者について、有期労働契約を更新しようとする場合には、契約の実態及び労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。

契約期間途中の解約・雇止めをする場合に注意すること

「労働契約の期間について」で述べたとおり、「やむを得ない理由」がなければ契約期間の途中で解約することは出来ません。
また、「期間の定めがある労働契約について注意すること」で述べたとおり、労働契約はなるべく更新するよう努めなければなりません。

しかし、どうしても期間雇用社員を削減せざるを得ない状況になった場合は、次のことに注意しましょう。

正社員と同様の扱いをし、契約更新も繰り返している場合
 整理解雇の4要件((1)中途解約・雇止めの必要性、(2)回避努力義務の履行、(3)対象者選定の合理性、(4)手続きの妥当性)が揃っていなければ、中途解約・雇止めは出来ません。

正社員と同様の扱いではなく、契約更新の期待も低い場合
 客観的・合理的な理由がなければ、中途解約・雇止めをすることは出来ません。

派遣契約解除について

労働者派遣は、下の図のような関係で行われます。

派遣契約解除について

つまり、中途解約または契約更新をしない場合、派遣先である御社が派遣労働者から直接契約違反で訴えられることはありません
派遣契約の解除は、派遣元と労働者との労働者派遣契約の合意解約であり、契約所定の解約事由の問題だからです。

とはいえ、派遣労働者が自由に契約を打ち切られる、ということにならないよう、厚生労働省は派遣先の都合で契約解除するケースにおける指針を出しています。

派遣先の都合で契約を解除する場合は・・・

派遣先が関連会社での就業機会を斡旋するなど、新たな就業機会の確保を図るようにすること

労働者派遣契約の解除予定日の少なくとも30日前に派遣元企業に予告するか、派遣労働者の30日分の賃金相当額を速やかに補償すること

が必要です。

なお、最近話題になっている「派遣切り」とは、契約期間満了時に、契約を更新しないことをいいます。契約期間途中の解約だけを指しているわけではありません。